活用進む「自動販売機」
多機能化により新たな存在価値
目の前の客に応じておすすめの商品を提供する自動販売機や、気温・時間帯にあわせて商品を選び画面に表示する自動販売機を目にしたことはありますか。
昨今、その機能が多様化し、企業の新たな販売手法として活用が進んでいます。
自動販売機のうち最も多い用途は飲料販売用で、その台数は全体の約8割にのぼります。しかし、人口減少などを背景に総台数は低下傾向にあり、飲料販売用も減少が続きます。
そのような環境下で台数を伸ばしているのが、食品用の自動販売機です。
コロナ禍で非対面決済ニーズが高まったこと、人出不足、持ち帰り需要の増加などを受け、自社商品を自動販売機で提供したいという飲食店によって導入が続きました。同時に、効率的な販売やマーケティングに役立つさまざまな機能の搭載も進みます。
一台で複数の温度設定ができる機能やクラウド化による遠隔操作・在庫管理機能。A Iカメラを内蔵し、その映像を分析することで自動販売機に注目した人の人数や年齢、性別などを分析する機能。自動販売機で集約したデータを活用し、新たな商品開発につなげることも可能です。
これらの多機能化は販売商品の多様化にもつながっています。日用雑貨やコスメなど食品以外の分野を扱うケースも増えているようです。
人件費を抑え少ないスペースで24時間稼働する自動販売機。新たな販売チャネルとして、検討してみてはいかがでしょうか。
令和5年9月6日
信用保証制度の要件が拡充されています
令和5年1月31日より、中小企業者を支援する信用保証制度の要件が拡充しました。
対象となる制度は以下2つです。
・「経営改善サポート保証(感染症対応型)」
コロナ禍で借入を行ったものの売上高等が改善しない中小企業者を対象に、事業再生のための
新たな借入を保証。
据置期間は最大5年、保証料率は0.2%(通常0.8%程度から引き下げ)。
・「信用保証付債権DDS」
コロナ禍や物価高などの影響を受け債務超過に苦慮する中小企業者を対象に、既存の保証付融
資について保証条件を見直し、劣後ローンなどへ転換。
これにより債務超過の圧縮・解消を図り、新たな資金調達と財務状況の改善を支援。
今回の要件拡充では、両制度の対象に、405事業によって策定支援した事業再生計画(認定経営革新等支援機関が支援したもの)が加えられました。
これまでは、中小企業活性化協議会の支援により作成した再生計画等のみが対象でした。今回の要件拡充でより多くの中小企業者が利用できることになります。
厳しい経営環境が続くなか、中小企業の資金繰りを支援する制度設計が続いています。
令和5年8月17日
「押し活」消費が売上を押し上げる!
カギはカラーバリエーション
「推し活」とは、いわゆる応援活動のことです。もともと、アイドルを応援するファンが自身の好きなメンバー(推し)を応援する活動を指して用いられていました。
推しの対象は、アイドルのほかアニメのキャラクターや俳優などさまざまです。特に
アイドルの分野で一人当たりの消費金額が拡大しており、ファンが1年間に消費した平均金額は、2022年で前年比約4割増の93,704円となりました。
昨今、この「推し活」をきっかけに売上を大きく飛躍させた事例があります。
それは、A社が製造する、お菓子や文房具などを入れるための缶です。特徴は、無地のデザインとカラーバリエーションの豊富さで、常時16種類以上の色が用意されているものもあります。
この缶が、「推し活」をきっかけにSNS上で大きな話題を呼びました。アイドルやアニメのキャラクターにはそれぞれイメージカラーがあり、自身の推しの色で持ち物を揃えたいというファンの需要にマッチしたのです。推しに合わせて缶の色を選び、主にグッズの 保管などに使用されているようです。
「推し活」は2021年の流行語大賞にもノミネートされ、若者を中心に広がっています。
今後の販売戦略において、カラーバリエーションがカギとなるかもしれません。
令和5年7月18日
高速道路の深夜料金見直し
社会全体の物流を支えるために
高速道路の深夜走行に関する料金制度が変わります(令和6年度を予定)。
背景は、深夜における高速道路の渋滞解消と運転手の労働環境改善です。
現在、高速道路を24時~翌日4時(深夜割引適用時間帯)に走行した場合、この時間帯を含む走行の料金は最大3割引となります。
この制度について、以下のとおり制度の見直しが検討されています。
・深夜割引適用時間帯を22時~翌日5時に拡大
・割引を適用する走行は、深夜割引適用時間帯のみとする
・400㎞超の走行に係る割引率を拡充
現行制度では、24時~翌日4時の間少しでも走行していれば、その時間帯前後の走行も含めた全走行距離について割引が適用されます。結果、割引を適用するために24時までは高速道路に滞在するケースが多く、運転手の深夜にわたる労働の常態化や24時の料金所付近の渋滞につながっていました。
適用時間帯の拡大や、前後の走行への適用除外を通じ、深夜走行の慣習改善を図ります。運送環境が変わることで、輸送量や輸送料金にも影響が生じる可能性があります。
物流は、社会経済を支える基盤です。EC市場が拡大し、ネット販売の増加で輸送量も増えるなか、新制度の具体的な内容が注目されます。
令和5年6月30日
加藤会計事務所 事務所案内より
※本コラムは旬刊で、時折のテーマを提供してまいります。ご期待ください。